Thothの日誌

日々の活動や読んだ本について書き綴っていこうと思います

2022年に読んだ50冊から気になった本

2022年も終わってしまいますが、この年に読んだ本は50冊になります。
パレオさんのブログでこちらの記事を読んだのがきっかけで小説というジャンルにも手を出していこうと決心しました。

今年読んだ本の中で特に気になった本をまとめますと…

競争の科学

現実社会の特に学生時代では競争が避けられないのでこちらの本はとても参考になりましたね。後述する「ステータスゲームの心理学」でも述べられていますが完全なる平等はあり得ないらしいので力を得て、結果を残せるようにする心構えを持っていたものですね。とは言え、ドーパミンを処理する遺伝子の影響を受けるとか、自分が勝負する際に攻撃型なのか防御型なのかを知っておかないと大変なことになると書かれていました。

限りある時間の使い方

生産性や効率を求めても私たちの生活は決して楽にならないよ、というこれまでの時間術とは一線を画す内容になっています。また、自由を求めるあまりにデジタルノマド(リモートワークを駆使して遊牧民的に過ごす人たち)についても孤独に苛まれる様を読んだ際は私も胸が痛みました。
…私も友人が多い方ではないので完全なる孤独は避けた方がよさそうです。
何よりこの本では退屈や忍耐についても取り上げていて、時間感覚を取り戻すために何もしない時間を設けるとか、あえて不便なものを使って「●●しかできないけど●●だけすればいい」という状況を作り出すことをお勧めしています。

あと少し、もう少し

私が中学を卒業したのが2010年3月なので久々に青春モノに触れた気がします。(あまりスポコンアニメも見ていなかったので)
区ごとに登場人物たちのオムニバス形式になっていて、各人物たちが何を思っていたのが次第にわかるようになる作りになっていましたね。

ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー

著者の息子さんが中学に進学してからの生活をエッセイにしたものです。イギリスの中学事情は日本とは異なり、階級社会といいますか、生まれた時点で進学する学校がだいたい決まってしまう現状があるそうですね。また多様な人種やジェンダーLGBTは日本よりも進んでいるなと思わされました。

同士少女よ、敵を撃て

戦争物はあまり好んで読んでこなかったのですが、本屋大賞を受賞したということで手に取ってみました(正確にはオーディオブックで聴きました)。著者は本当の戦場に行ったのではないかと思えるほどに描写が丁寧かつリアルで情景を想像しながら聞くことができました。一兵士から見た戦争、戦場においてはただ敵を撃つことだけ考えなくてはならないが、自分のアイデンティティに根差した「戦う理由」が無くては戦争が終わったとしても精神を病むことになることが示唆されていました。
また、戦時中、ソ連軍とドイツ軍がお互いに相手兵士のことを動物の名前で呼び、人間扱いをしていませんでしたし、終盤村の復興をすることになるセラフィマは村人たちから魔女と呼ばれ恐れられていましたが、ある少年と親しくなれた瞬間はそれらの「レッテル貼り」による自分たちと彼らという線引きがなくなりつつあることを示唆していてハッピーエンドで終わりましたね。(ネタバレ失礼)

問題解決のPythonプログラミング

Pythonプログラミングでデータ分析や機械学習の分野を勉強していましたがイマイチハマらなかったのでアルゴリズム問題を解いてみることにしたのですがこれが意外と面白かったです。当ブログでも練習問題を自分なりに解いたものを一部投稿したりしましたね。この本のおかげで再帰や幅・深さ優先探索とは何かが問題を解くことで理解できたので助かりました。アルゴリズムの本は知識をまとめましたという感じの本が多く、「すごいことは分かったんだけど自分の力になってるか分からないなぁ…」と思ってしまうものが多いので…こちらの著者も同じ思いを抱いていたらしく、問題を用意していただいており、少しずつ挑戦しています。(現在は数学やスペイン語学習でなかなか手が回らないですが…)

テスカトリポカ

書店で特徴的な表紙に惹かれて買ってしまいました。この本のおかげでスペイン語に興味を抱きましたね。タイトル通り、アステカ神話が深くかかわってくることになります。テスカトリポカはその神話での最高神とされ、生贄の心臓を欲したそうです(物騒だな…)。心臓を供物にすることと、バルミロたちによる心臓売買がリンクしてくるのでえげつないことを作者は考えるなぁとぞっとしてしまいました。

ハリーポッターシリーズ

ハリーポッターシリーズはオーディオブックで聴き放題だったので(現在は対象外…)聞いてみました。これも分厚い本だったのでなかなか手が出せなかったんですよね。現在読んだのは

  • 賢者の石
  • 秘密の部屋
  • アズカバンの囚人

まで聴きました。しかしハリーもなかなか短気というかプッツンしやすい所があるんですね…。また、登場人物たちも派閥というかそれぞれの利益の為に動くので清濁併せ持つ人物が多いのが特徴ですね。現実世界に近いかもしれません。

すずめの戸締り


こちらでもまとめた通り、小説から映像化作品を見るという順番はなかなかできない経験だったので先に小説を読んでから映画を視聴しました。人物の心理描写は小説に分があり、アクションや見たことがなく想像するのが難しいものは映像に分があると感じました。別の媒体で作品に触れることでより作品の理解が深まると感じました。

三体Ⅱ 黒暗森林

前作三体も読んでいましたが、この本が本の序章にすぎなかったと改めて思わされました。主要人物である羅輯は面壁者(ウォールフェイサー)に任命され命を狙われる事態になりますし、章北海は羅輯と直接の関係がないにも関わらずかなりの分量を割いて描かれています。最後彼がしたことは善悪では判断がつかないので、彼と同じ状況にもしも陥ってしまったら私はどうなってしまうのか考えずにはいられませんでした。

ステータスゲームの心理学

いくら人はみな平等と美辞麗句を言われても人々はステータスを求めるものだし、完全なる平等はあり得ないと断じている本でした。
カーストにおいて最下層の人の生活は読んでいてもみじめなものが多く、そんな状況ではいたくないなと思うのが正直なところでした。
また、大量殺戮を犯してしまう人は脆弱なナルシストの場合が多く「私は他者から敬われて当然だ、そうでないこの世界は間違っている」という誇大妄想にとりつかれた結果とんでもないことをしでかしてしまうのだとか…。

銀河英雄伝説

黎明編から雌伏編までオーディオブックで聴きました。この本は架空の国家間の戦争を描いた作品ですが引き合いに出される歴史的出来事は現実世界の物で自分の生き方の参考になる本です。特に国家は壮大な理想を掲げて国民を残虐な兵士に仕立て上げ、個人ではとてもできないような残酷なことを平気でさせると書いていて、私も気を付けようと思わずにはいられませんでした。