Thothの日誌

日々の活動や読んだ本について書き綴っていこうと思います

ポケモンバイオレットを購入しました

ポケモンバイオレットを購入しました。
毎回主人公の名前を考えるのも面倒なのと大人になると主人公の名前に自分の名前を入れるのも恥ずかしいので男主人公のデフォルトネームである「ハルト」でプレイしようと思います。

それにしても主人公はなかなかの美少年だ…。

今回の御三家はこちらです。私はニャオハを選びました。…草御三家はハードモードと言われますがデザインが良かったもので(笑)

今回は大きく3つの目標というかルートがありまして、ポケモンリーグを目指す、ヌシポケモンから食材調達、スター団退治があります。
三者から誘われる主人公モテ過ぎじゃないか?(笑)

しかも今回はpvから想像がついておりましたが伝説のポケモンが早々に仲間になるのですね。(まだ戦闘に出せないけど)


まず手始めにヌシポケモンから食材を頂きました。岩タイプのところでニャオハにとっては有利でした。

美味しそうな表情をしますね。

ラスタルを使う時の主人公の表情がカッコいいですね。

そして草タイプのジムに到着。

ジムリーダーは風花雪月のヒューベルトそっくりだなぁと思ったのが第一印象です。

無事倒しました。

今回はポケモンをボールから出して連れ歩きのようなことができるのですがポケモンが自由に行動し、野生のポケモンと戦い、経験値を得てくれます。便利な世の中になったなぁ…。

そういえばネット上の情報を見ると読み込みが遅い、動きがカクカクする、処理落ちが多いなど言われておりますが…私の会社のパソコンもこのくらい動作が遅いのでまだ耐えられる方です。(会社のパソコンをディスって申し訳ないですが…)

それに時間短縮して効率ばかり求めると、以前にかかっていた時間に耐えられなくなるという忍耐力の低下が起きてしまう事がこれらの本にも記されております。

なので高速処理を求めすぎるのも問題といえますね。

次回↓

「運動脳」を読みました

アンデシュ・ハンセンさんの「運動脳」を読んでみました。Youtubeの本要約チャンネルやフェルミで取り上げられていたので手に取ってみました。

この本に書いてあることを一言で述べるとすれば、
運動すれば良いことがあるよ、に尽きますね。

私たちの脳は原始時代から変わっていない

以前にこちらの本を読んでいて、私たちの脳は原始時代から大きな変化はないようで、私たちが原始時代にタイムスリップしたら原始時代の生活を営めるし(捕食動物に食べられるかもしれませんが…)、原始人が現代に来たら現代の生活を営むことができるそうですね。

この本の要点

運動をすることによって脳にとっての栄養分が分泌されることで以下のメリットが得られると本書では書かれています。

  • ストレス解消になる
  • 集中力が増す
  • 創造性が上がる
  • うつ病を防ぎ、意欲を維持する
  • 記憶力を高める

なぜ運動が広まらないのか

このように良いこと尽くめなのですが…ではなぜこれほどまでに効果的なことが広まらないのか、という点にも注目しております。それによると運動によって疾病を防ぐことができても利益は上がらないですが、薬を開発販売することで利益を上げることができるかららしいです。また、消費者(つまり製薬会社以外の人)に着目しても問題点があるように感じます。
精神科医が患者に対してうつ病や精神的な不調に「運動が効果的だ」と告げても「そんなものに効果があるとは思えない。薬を出してくれ」といわれるそうです。私たちの側にも「薬で何とかしよう」という意図があるのかもしれませんね…

このエピソードを読んで、旧約聖書に出てくるナアマン将軍を思い出してしまいました。引用すると…

シリヤ(アラム)の王は、軍の最高司令官であるナアマン将軍を非常に重んじていました。ナアマンが軍隊を率いて、何度も輝かしい勝利を収めたからです。彼は押しも押されもしない偉大な英雄でしたが、なんと、ツァラアト(皮膚が冒され、汚れているとされた当時の疾患)にかかっていたのです。 かつてシリヤ軍がイスラエルに侵略した時、捕虜の中に若い娘がいて、ナアマンの妻の召使になっていました。 ある日、その少女が女主人に言いました。「だんな様は、サマリヤにいる預言者のところへ行かれたらよろしいのではないでしょうか。きっと、その方がツァラアトを治してくださいます。」 そこでナアマンは、少女のことばを王に話しました。 シリヤの王は、「その預言者のところへ行くがよい。イスラエルの王にあてて紹介状を書こう」と言いました。そこでナアマンは、贈り物として、金六千シェケル(六十八・四キログラム)と銀十タラント(三百四十キログラム)、それに着物十着を持って、イスラエルへ出発しました。 イスラエルの王への手紙には、こう書いてありました。「この書状をあなたに手渡す者は、私の家臣ナアマンです。ぜひとも、ナアマンのツァラアトを治してください。」 イスラエルの王は手紙を読むと、服を裂いて言いました。「シリヤの王め、ツァラアトの者をよこして、病気を治してくれと無理難題を吹っかけてきている。私は殺したり、生かしたりできる神だろうか。これは、侵略の口実を見つける罠に違いない。」 預言者エリシャは、イスラエルの王が苦境に立たされていることを知り、人を送って、次のように言いました。「なぜ、そんなに取り乱しているのですか。ナアマンをよこしてください。彼は、イスラエルには神の預言者がいることを知るでしょう。」 ナアマンは馬と戦車を従えて、エリシャの家の玄関に立ちました。 エリシャは使いの者をやって、言いました。「ヨルダン川へ行って、体を七回洗いなさい。そうすれば、ツァラアトは跡形もなくなり、完全に治ります。」 これを聞いたナアマンは、ひどく腹を立て、不きげんそうに言いました。「なんということだ。預言者がじきじきに出て来てあいさつし、患部に手をあて、彼の神の名を呼んでツァラアトを治してくれると思ったのに。 川で洗えだと? それなら、ダマスコのアマナ川やパルパル川のほうが、イスラエルの川よりよっぽどきれいじゃないか。どうしても川で洗わなければならないというのなら、故郷の川でやったほうがまだましだ。」彼は憤慨しながらそこを去りました。 その時、部下がこう説き伏せたのです。「もしあの預言者に、何か難しいことをせよと言われたら、そうなさるおつもりだったのでしょう。それなら、体を洗って、きよくなれと言われただけのことですから、そのとおりになさってみたらいかがですか。」 それももっともです。ナアマンはヨルダン川へ下って行き、言われたとおり、七回、水に身を浸しました。すると、彼の皮膚は幼子のようにつやつやしてきて、すっかり治ったのです。
‭‭列王記Ⅱ‬ ‭5‬:‭1‬-‭14‬ ‭JCB‬‬
https://bible.com/bible/83/2ki.5.5-14.JCB

モチベーションが高まるのは程よく難しいタスクといわれるので運動は「取るに足らないもの」と見なされ過小評価されナアマン将軍のように「そんなことで良くなるのか?」という思いを抱いてしまうのでしょう。

やりすぎない程度のランニングが一番効果的と言われますが、ウォーキングでも効果はあるそうなのでせっかく購入したステッパーをまた使おうかな、と思いました。

銀河英雄伝説シリーズ

ハリーポッターシリーズのように長編小説は一つの記事にまとめた方が管理しやすいのでこの本も同様にしようと思います。

黎明編


野望編


雄伏編

今回はヤンがメイン回だった印象です。というのもラインハルトは国政で忙しく、またキルヒアイスを失ってしまった喪失感をまだひきづっている印象を受けます。これは彼の部下たちにも見受けられますね。キルヒアイスの事に関してはかなりメタ発言になってしまいますが、作者は早めにこのシリーズを終わらせる予定だったらしく、編集から「もっと描いてくれ」と言われた為にキルヒアイスが早すぎる死のように見えてしまうらしいです。
ラインハルトの様子を見ると最高権力者の孤独を垣間見てしまいました。畏れられても親密な関係を築く事はできないのでしょうね…。


今回は同盟側の弱体化がより顕著に見えてきており、政府も腐敗が進んでいる事が伺えます。前線に配備した指揮官を首都まで呼ぶってやっぱりまずいですよね…。帝国側の士官が「有り得るのか…?」と思うのも頷けます。ヤンに対して詰問する際も「自分たちは安全なところにいながら軍人には戦争賛美して戦えと言う」という姿勢がありありとしており、オーディオブックで聴いていてよくそんな事が言えるなぁ…と思ってしまいました。

ヤンは終盤、ユリアンに「軍隊は国家によって形成された暴力集団で有り、市民が暴動を起こしたら軍隊は国家を守る為に市民に銃を向ける。市民のために立ち上がった軍隊は少ない。」と諭します。更に国家の為、という大義名分があれば市民を軍人にし、人体実験を平気でさせる、と…。

フェザーンの首領親子の微妙な関係が今後の不吉さを予感させますね。

2023/09/11追記 本編は読破しました

見出しの通りですが読破しました。本筋からちょっと逸れてしまいますが、気になった内容がありました。

ユリアンはいろんな分野で頭角を表すようになるのですが、様々な登場人物から「器用貧乏になるなよ、それぞれの分野で卓越した人たちに勝てなくなるぞ」と言われた際に地の文で「では、その卓越した者たちの苦手な分野で戦えば彼らは手も足も出まい」という内容の反論には重要な示唆があると感じました。オーディオブックの為、詳しい引用が難しいのが心苦しいのですが…
この内容はこちらの本の内容にも関わってきますね。

「比較優位」という考え方です。自分は何かの分野で一番にならなくとも、自分が今いるコミュニティのメンバーの中で優位に立てる分野や技能で勝負すればいい、という考え方です。

「Your Time」を読みました

鈴木祐さんの新刊「Your Time」が発売されたので早速読んでみました。

作者はオリバー・バークマンの「限りある時間の使い方」の原著「Four thousand weeks」を読んでいた為か、影響を受けているなぁと思う所がありました。

本書はカレンダーやTODOリストのようなスケジュール管理ツールといった小手先だけの対策では足りず、現代人の時間感覚を修正する事に重きを置いているのが特徴です。

効率を上げても時間の余裕ができない

Twitterで鈴木祐さんが投稿した「Your Time」の試し読みの部分にもありましたが、巷にある時間術を突き詰めていっても以下のような問題点が起きるみたいです。

  • 一つ一つの作業時間が短くなっても総作業数が増えてしまい、時間の余裕ができない。これはどういうことかというと、郵便を用いていた時は送受信に時間がかかるので書く内容を緻密に丁寧に書いていたが、メールやLINEの普及によって時間がかからなくなると「今、ひまー?」のような送られると困るようなメールやLINEも増えてしまって返信に手間取るようになってしまった。
  • 時間を意識しすぎると目の前の作業に集中できず、かえって時間がかかってしまう。
  • 早く(何かを)終わらせることに固執してしまい、手短に片付く作業で満足してしまう。緊急度と重要度で作業を区分するのは有名だが「緊急だからとりあえず手を付ける」ということをしてしまいがち。←「単純緊急性効果」という。
  • 長期的な視点で考えられなくなる。
  • 時間や効率ばかり考えると、創造的な発想が疎外されてしまう。
  • 「時間を使いこなす」のに無理がある。

私たちの時間間隔

冒頭でも述べましたが、この本で書かれている解決策は道具を使ったものよりも私たちの状態異常を直すことに重きを置いています。その状態異常とは時間間隔の歪みです。私たちが時間を認識するとき、物事の変化を見ることで認識しているそうです。
現在の状況を見て、過去に起こったことを思うことを想起といい、未来に起こるであろうことを思うことを予期といい本書ではそれぞれ「時間想起」と「時間予期」と名付けています。

時間予期

将来のイメージが鮮明であればあるほど現代では成功しやすいですが、やりすぎると今が未来の為だけに使われる感覚に陥ってしまい、人生に楽しみが感じられなくなってしまいます。逆に薄いとギャンブルやたばこ、暴飲暴食といった刹那的で将来のことなんか一切考えないようになってしまいます。
また、予期の数が多いと焦りが起き、目先のことばかりにとらわれやすくなってしまいますし、少ないと無気力になってしまいます。
私は予期が濃く多いので「容量超過型」でした。こちらの記事でも述べた通り、やることを絞って、順番通りに取り組んでいこうと思います…。

時間想起

過去に起こったことを正確に記憶しているか、それがポジティブかネガティブかによっても時間間隔に影響を与えるそうですね。私は想起が正しいけどネガティブな「怖がり型」でした。先延ばししやすいタイプのようです…。

脱・効率化

時間予期、時間想起それぞれの対処法は対症療法に近く、本書で最も述べたい内容だと個人的に思ったのが4章の「効率化から解き放たれる」と終章の「退屈を追い求める」だと思います。
上記の通り、効率化を図ったとしても作業量が増えてしまったら総作業時間は変わらず、むしろ増えてしまいます。また、(秒刻みのような)時計が発明されてから時間の効率化という考え方が芽生えていて、それまで人々は「日が昇ったら活動して、日が沈めば寝る」のような大まかな時間間隔しか持ち合わせていなかったので時間の効率化という考え方は人類史から見れば歴史が浅いんですよね。ここから脱却するために著者は大きく二つを挙げています。

  • 文学を読む

物事の時間がかからなくなり、また分からないことがあればすぐにGoogle検索出来てしまう現代では、少しの待ち時間が待てないなど忍耐力が失われている問題があります。また、分からないこと状態に耐えられず、手軽な答えを求めてしまうようになってしまっているようです。
この分からない状態に耐える力を「認知の耐性」と呼びますが、小説がそれを鍛えてくれるそうです。小説はタイトルや表紙からではどんなお話か、どんな結末かわからい状態から物語が展開するため、それを読むことで認知の耐性が身に着くのだとか。
ちなみにネタバレなどを読んでから読む人もいるかもしれませんが(私もしたことがあります)、意外とネタバレを読んでも理解できないことが多いです。言葉でうまく説明するのが難しいのですが、「年表を読んでいる」ような感覚に陥ってしまうですよね。
結果だけを見せられても、「なぜそうなったのか」まで書いているネタバレサイトはそんなに多くない印象で、自分で作品を読んだ方が確実なことが多いです。小説は初見で飛ばし読みができないジャンルなので落ち着いて、焦らずに読む必要があるなと感じます。

  • 退屈を突き詰める

「限りある時間の使い方」でも言及がありましたが、絵画を3時間見つめ続ける、冷水に一定時間当たり続けるなどすると焦りが減るそうですね。自然な時間の流れに身を任せるしかないという感覚になり、時間が沢山ある気がしてくるそうです。…いやでも3時間はキツイかな…と思ってしまいますが。
本書でもいきなり3時間はキツイのでまずは「何も成果物が得られそうもないもの」を一つ選んで5分だけ眺めるのをおススメしています。
私だったら…小説の表紙を眺めるとかいいかもしれません。『テスカトリポカ』の深淵な表紙を眺めるとかしてみようかなと思います。絵画は場所を取るし、なるべくスマホなどの電子機器は使いたくないですしね。

2022年10月まとめ

月に一回くらいは振り返る時間を設けても良いかなと思い記事を立てました。

9月までは自己研鑽として数学、プログラミング、スペイン語と取り組んでいたんですけど、流石にやり過ぎていたなと反省して思い切ってスペイン語に集中する1ヶ月間にしました。

とはいえ、スペイン語に集中したからと言っても勉強時間自体はそんなに増えていないです。ですが、これまではそれ以外もやっていたので休日をすぐに使い切ってしまう状態になってしまっていました。勉強時間は少なくなりましたが、その分余裕のある生活を送る事ができたかなと思います。スペイン語の文法書を一通り取り組む事ができましたし、スペイン語で書かれた本を一冊読むこともできました。
何より一つのタスクに一点集中できるようになったのが大きいです。

また、鈴木祐さんの『Your Time』を読みましたが、そこで出てきたイベントタイムというのを意識しようと生活してみました。(まだ、休日でも結構時計を見てしまいますが…)

スケジュールの立て方として大きくクロックタイムとイベントタイムというのがあり…

  • クロックタイム…◯◯時になったら◯◯をする、という労働時間的なスケジュールの立て方です
  • イベントタイム…◯◯が起きたら(◯◯を終えたら)◯◯をする、というイベントや行動ごとにスケジュールを区切る立て方

生産性を上げたり、効率を上げるならクロックタイムですが、こちらは焦りを感じるようになるのが難点で、休日はできるだけイベントタイムで過ごそうと思います。

それとこの本には現代人は時間感覚の狂いが生じていてそれが焦りを生み出していたり、やらないといけないことを先延ばししてしまうと書かれていたのですが、身近にも少し思い当たる所があると感じました。
この記事の執筆時(10/24〜10/31)に周りの人が「もう11月になるね〜今年も早いねぇ」の話していた事です。私にとってはまだ11月まで数日あるように思いますが、人によっては四捨五入のような繰り上げをしてしまう人が見受けられます。例を挙げると、自分の年齢にしても28歳など20代後半で「もう30になる、もう30だ」など。これも時間感覚に狂いが生じてしまっているのかなと感じずにはいられませんでした。

あとは個別記事が立てられているので詳しくは割愛しますが、今月に読んだ(聴いた)本はこちらになります

スペイン語昔話

スペイン語学習の一環でこちらの本を読んでおりましたが、日本昔話に似ている話もあれば独特な話もあり結構面白かったです。

全部で19の昔話や神話が綴られているのですが、印象に残ったものを紹介させていただきます。

La lechera(ミルク売りの少女)

まさに取らぬ狸の皮算用的なお話でした。登場する少女はかなりの空想家でして、ミルクを売って鶏を買い、卵を売って山羊を買い、子山羊を売って豚を買い、子豚を売って牛を買い、子牛を売ったら小麦のタネを買い、土地と従業員を雇って結婚して子供や孫たちに囲まれるわ、と想像していたらミルクをこぼしてしまいました。正直笑ってしまいました(失礼)

La edad del diablo(悪魔の年齢)

とある夫妻がおりましたが、夫は賭け事が大好きでした。ある日バッタリ悪魔に出会ってしまい賭け事の勝負に負け全財産を失い、おまけに家まで失いそうになります(やっちまったなぁ…)。
「どうか家だけは勘弁してくれ」と夫が悪魔にお願いすると「三日以内に私の年齢を答える事ができたら家までは取らない」と言われます。
途方に暮れた夫は正直に妻に話します。日本の感覚で言えば夫がギャンブルで全財産を使い果たしたなど離婚されても仕方がないのですが、奥さんはなんと「私があんたを助けてあげる」と言います。寛大ですね(笑)
その方法は様々な鳥たちの羽をかき集め泥を用いてそれらの羽を奥さんの全身に付けます。
そして3日後悪魔が現れますがその奥さんをみて「私は3275歳になるが今までにこれほど変わった生き物は見た事がない!」と吐かせ、夫が見事に悪魔の年齢を言い当ててこの危機を脱出します。

La capa de armadillo(アルマジロのケープ)

頑張っているものが報われるので穏やかな気持ちになれるお話でしたね。
満月の夜にティティカカ湖で盛大なお祭りが催され動物たちは皮膚や羽根を綺麗に磨いて準備を始めます。アルマジロは皮膚が綺麗ではなかったので美しいケープを作ろうとします。
満月までまだ日数がありましたが、キツネがアルマジロを嵌めて「今日お祭りがあるよ!」とアルマジロに言い、動揺させます。
急いで作ったケープはゆっくり取り組んだ時よりも繊細さに欠けて編み目にムラがありましたがそれがケープの独創性のように見えました。
いざ祭りの時になると他の動物たちがそのケープの美しさに驚きます。
これはゆっくり取り組み完成度が100%のものではなくても作ってみると案外良いものができるという重要な示唆があると思いました。

スペイン語のわからない単語はありますが対訳を読んだり、特徴的なフレーズは注釈が付いているので結構読めますね。

願いが叶ったとしても

「泣いた赤鬼」と「はてしない物語」、「アルジャーノンに花束を」という話をご存知でしょうか?
この3つには一つの共通点があると感じ、記事にしました。

泣いた赤鬼では

泣いた赤鬼は人間と友達になりたいと思っていた赤鬼に友達の青鬼が「僕が人間を襲うから赤鬼君が人間を助けてあげなよ。そうすれば友達になれるよ」
との提案を受けて実行し、人間と友達になる事ができた赤鬼でしたが、赤鬼と青鬼がその後も一緒にいるのは不味いと思った青鬼は赤鬼の元を去っていくのでした。

はてしない物語では

はてしない物語では本の中の世界に入ったバスチアンが本の中の女王から「アウリン」というアイテムを授かり、そのアイテムの力によって自分の願いを叶える事ができるようになるのでした。初めは美しい自分の見た目、腕っぷしなど得たいと思ったものを何でも得られるようになるのですが、いざ叶ってみるとその状態が当たり前になりこれまで願っていた事すら忘れてしまうようになってしまいます。
また、このアウリンはとても曲者なアイテムで持ち主の願いを叶える代わりに持ち主の人間界での記憶を無くしてしまうという副作用があり、全ての記憶を無くすと廃人になるという恐ろしいものでした。←幼心の君はなぜこんなものを渡したのか…

一応、幼心の君はファンタージエンを救った救世主の願いに対して善悪区別しない、とありますね。その本人の願いが長期的に本人に破滅をもたらすとしても、ですね…。
ファンタージエンに入ったばかりのバスチアンはグラオーグラマーンというライオンに似た生き物と出会うのですが、この生き物から「本人の真に欲することを成せ」と忠告を受けます。

心理学用語になりますが、地位、名誉、お金などの外発的欲求ではなく、自分の内側から湧き出る内発的欲求に従え、という事なのかもしれません。

歴史を振り返っても地位と権力を求め過ぎて破滅した人は沢山いますし…

権力を求め過ぎてファンタージエンの帝王になったもの、なろうとしたものが行き着く元帝王たちの都の描写では支離滅裂で意味のある行動を取れなくなる住民たちが多数登場し、その描写がなかなかえげつないです。作者のミヒャエルエンデは本物の廃人を見た事があるのかと疑うほどでした。

アルジャーノンに花束を、では

アルジャーノンに花束を」ではチャーリィは知的障害者でした。しかし、賢くなって友達を増やしたいと思っていました(当時彼は自分が賢くなればみんなが自分を好きになってくれると思っていた)。
チャーリィが知能を引き上げる実験によって天才になるのですが、それによってこれまで見えてこなかったものが見えるようになってしまいました。
それはこれまで自分が知的障害者で周りから馬鹿にされていた事、幼い頃母親から酷い仕打ちを受けていた事などです。
またこの実験には重大な欠陥があり、知能が高くなったとしてもしばらくすると知能が下降し、元のレベル以下の知能になってしまう、というものでした。

これらから

小説や物語というのは明確にメッセージがあるとは限りませんが、作者の思想が反映される事が多いです。この三つの物語は同じ作者ではありませんが、このようなメッセージ、もしくは考えがあるのではないかと思います。

願いが叶ったとしても自分の望み通りの結果になるとは限らず、かえって元の状態よりも悪くなる可能性がある

という事です。とはいえ、なってみないと分からないのが厳しいですね。