Thothの日誌

日々の活動や読んだ本について書き綴っていこうと思います

スペイン語昔話

スペイン語学習の一環でこちらの本を読んでおりましたが、日本昔話に似ている話もあれば独特な話もあり結構面白かったです。

全部で19の昔話や神話が綴られているのですが、印象に残ったものを紹介させていただきます。

La lechera(ミルク売りの少女)

まさに取らぬ狸の皮算用的なお話でした。登場する少女はかなりの空想家でして、ミルクを売って鶏を買い、卵を売って山羊を買い、子山羊を売って豚を買い、子豚を売って牛を買い、子牛を売ったら小麦のタネを買い、土地と従業員を雇って結婚して子供や孫たちに囲まれるわ、と想像していたらミルクをこぼしてしまいました。正直笑ってしまいました(失礼)

La edad del diablo(悪魔の年齢)

とある夫妻がおりましたが、夫は賭け事が大好きでした。ある日バッタリ悪魔に出会ってしまい賭け事の勝負に負け全財産を失い、おまけに家まで失いそうになります(やっちまったなぁ…)。
「どうか家だけは勘弁してくれ」と夫が悪魔にお願いすると「三日以内に私の年齢を答える事ができたら家までは取らない」と言われます。
途方に暮れた夫は正直に妻に話します。日本の感覚で言えば夫がギャンブルで全財産を使い果たしたなど離婚されても仕方がないのですが、奥さんはなんと「私があんたを助けてあげる」と言います。寛大ですね(笑)
その方法は様々な鳥たちの羽をかき集め泥を用いてそれらの羽を奥さんの全身に付けます。
そして3日後悪魔が現れますがその奥さんをみて「私は3275歳になるが今までにこれほど変わった生き物は見た事がない!」と吐かせ、夫が見事に悪魔の年齢を言い当ててこの危機を脱出します。

La capa de armadillo(アルマジロのケープ)

頑張っているものが報われるので穏やかな気持ちになれるお話でしたね。
満月の夜にティティカカ湖で盛大なお祭りが催され動物たちは皮膚や羽根を綺麗に磨いて準備を始めます。アルマジロは皮膚が綺麗ではなかったので美しいケープを作ろうとします。
満月までまだ日数がありましたが、キツネがアルマジロを嵌めて「今日お祭りがあるよ!」とアルマジロに言い、動揺させます。
急いで作ったケープはゆっくり取り組んだ時よりも繊細さに欠けて編み目にムラがありましたがそれがケープの独創性のように見えました。
いざ祭りの時になると他の動物たちがそのケープの美しさに驚きます。
これはゆっくり取り組み完成度が100%のものではなくても作ってみると案外良いものができるという重要な示唆があると思いました。

スペイン語のわからない単語はありますが対訳を読んだり、特徴的なフレーズは注釈が付いているので結構読めますね。