Thothの日誌

日々の活動や読んだ本について書き綴っていこうと思います

百年の孤独を読みました

スペイン語学習をしていたのもあってラテンアメリカ文学に興味がありました。それでこの本を読んでみたいと思っていたところ、文庫化されたので買ってしまいました

これはブエンディア家100年に及び計7代に渡る物語を描いた物ですね

全体的な感想

まず手始めに全体的な感想を述べると

  • 家族って難しい
  • それぞれに「孤独」な点がある
  • ループする?
  • 名前に込められた意味がある?

などが挙げられます。一つずつ解説いたしますね。

家族って難しい

ウルスライグアランにはアルカディオとアウレリャノの二人の息子がいますが、アルカディオは明確に母親を蔑ろにした態度をとり、家を飛び出してしまいますし、アウレリャノもまた高い理想を掲げた反乱に赴き銃殺隊の前に立たされそうになった際もウルスラを見向きもしなかったように感じました。
母として子供を産んだとしてもその子供が親に報いてくれるわけではないのだなと感じた瞬間でしたね。

それぞれに「孤独」な点がある

ブエンディア一族にはみんなそれぞれ孤独を抱えています。
ホセアルカディオブエンディア(名前長い…)
思い込みが激しく、また妄想癖もあるため気が狂ったとして木に縛られてしまう

ウルスライグアラン
上記の通り息子たちから見向きもされない

ホセアルカディオ
家を飛び出して一時消息不明になる

アウレリャノ大佐
内向的な性格で仕事場に篭りっきりになる。多くの女性と子をもうけたが、深い関係を築くことはなかった

アマランタ
レベーカと男の取り合いになり、熾烈な争いを遂げる。その後マルケス大佐から求婚されるも断る。そして晩年自分の死装束を孤独に作る

アルカディオ
アウレリャノ大佐にマコンドを任されるも独裁者になり、最期は悲惨な死を遂げる。権力者は孤独とも言いますしね

フェルナンダ
高貴な位のところから嫁いできた為プライドが高くブエンディア家に馴染むことは無かった。また、彼女もまた会ったこともない医者との文通に精を出しすぎて息子や親族との関わりを持とうとしなかった

ホセアルカディオ(法王見習い)
ウルスラが隠していた財宝を近所の子供達と発見した際に彼らを追い払った。そのために彼が独りで入浴している際に狙われて悲惨な死を遂げる…。

アウレリャノバビロニアとアマランタウルスラ
二人だけで熱い情熱を育みすぎた為に外界との繋がりが殆ど途絶えてしまう。アマランタもお産の際に亡くなってしまい、元々家で読書や外国語の勉強ばかりしていたアウレリャノバビロニアは友人との関係も途絶えてしまい、そして生まれた子供も亡くなってしまい正真正銘の孤独になる

ループする?

家系図を見れば一目瞭然ですが、ブエンディア家は同じ名前が多くとてもややこしいことになっています。しかし、それも読み進めていくと作者の意図や込められた意味を察するようになります。
息子や孫に同じ名前が繰り返し名付けられるだけでなく各個人も繰り返す習慣を多く持っています。例を挙げるとすればアウレリャノ大佐の金細工、ウルスラの思い出話、アウレリャノバビロニアの外国語学習など

名前に込められた意味がある?

上記の通り、同じ名前が繰り返し名付けられるのがブエンディア家の特徴ですが、名前によって性格や人物像に影響を受けている印象を受けます。
アルカディオと名付けられた者は外向きの人間になり、優れた体格を持ちますが悲惨な死を遂げる。アウレリャノと名付けられた者は内向的な人になり、どこか暗い影を持っているような印象を持つ、といった特徴を感じますね。
実はこの同じ名前を名乗るのは意外と日本でも海外でも行っています。日本であれは歌舞伎の役者の名前、海外なら皇帝などの○○3世など。特定の名前をあたかも役職として扱い人をそれに合わせるというのは意外とあるんですよね。まあこの場合は本来持っていた名前から変えることになるので少し意味合いが変わってきますが。