Thothの日誌

日々の活動や読んだ本について書き綴っていこうと思います

銀河英雄伝説1 黎明編を読みました

コロナに罹患した際、発熱が治まった頃の療養期間中にKindle銀河英雄伝説があったので読んでみました。普段の自分なら紙の本を購入することが多く、Amazonで購入して郵送されるのを待つのですが、あの状況では流石に待ち遠しいと感じて電子書籍で見ることにした次第です。


タイトルに「銀河」と付いているように人類は地球を脱出している為、舞台は宇宙になります。ルドルフという男が民衆の支持の元に皇帝になりましたが、その男は有生思想を持っていました。体や知能に障害のある者を抹殺せよ、という事を言ってしまいます。
この帝国はドイツ風の名前だったり、ルドルフという名前も何処となく彼に似ている事からおそらく帝国のモデルはナチスドイツでルドルフはヒトラーをモデルにしているのかな?と思いました。
しかし、ルドルフの息子も障害を抱えていたというのがなんとも皮肉なのが…

このような事をしでかしてしまったので国が分裂し、元々あった帝国は「銀河帝国」と、帝国から抜け出した集団が「自由惑星同盟」(フリープラネッツ)を作り、その2者間の戦争を描いた作品になります。
帝国側にはラインハルト・フォン・ローエングラムが、同盟側にはヤン・ウェンリーがメインに歴史小説風に物語が進行していきます。

ラインハルトは「常勝の天才」と呼ばれ、戦術的にも戦略的にも勝つ事に長けています。ヤンは「不敗の魔術師」と呼ばれ、どんなに不利な状況でもそれ以上に被害が大きくならないように危機を切り抜ける事に長けています。

ラインハルトは野心が強く、権力を強く求めているのに対して、ヤンは野心がなく、出世は求めないから戦争を終わらせて安らかに生きていきたいと願っていると正反対の2人ですね。

特に印象的だったのは本書の終盤、ヤンが口にした、

(中略)人間の社会には思想の潮流が二つあるんだ。生命以上の価値が存在する、という説と、生命に優るものはない、という説とだ。人は戦いをはじめるとき前者を口実にし、戦いをやめるとき後者を理由にする。それを何百年、何千年もつづけてきた……」

という台詞ですね。日本の太平洋戦争を思い浮かべてしまいました。
結構長いシリーズになるので最後まで読破できるかは分かりませんが1巻はとても興味深かったです。