Thothの日誌

日々の活動や読んだ本について書き綴っていこうと思います

スペイン語で読むドン・キホーテ

スペイン語学習の一環としてこちらの本を読んでみました。

スペイン文学で連想すればこちらの書籍は思い浮かびますね。この本はネイティブにとっても古い言い回しが多く長編で読むのに苦労するそうですが、ヘスス・マロトさんがわかりやすい言葉に置き換え、物語のエッセンスを抜き出したものになるので「ドン・キホーテとはどのような本か」を知るにはベストな本だと感じました。また、スペイン語と日本語の対訳方式になるのでわからない単語があっても何とかなるのがいい所です。何度も登場する単語は覚えてきますしね。
Don Quijote se lanzó a ~
ドン・キホーテは~に自分自身を投げた」→「ドン・キホーテは~に突撃した」 など

どんなお話?

マンチャ地方にいた郷士アロンソ・キハノは食事もろくに取らないで痩せぎすの不健康そうな初老の男性でしたが、騎士道物語ばかり読みふけるようになり、ついには現実と空想の区別がつかなくなり自分が騎士だと思い込むようになってしまい、世直しをするための活動に出かけます。
現代日本で置き換えると漫画やアニメばかり見て自分も主人公のようになったと思い込んでしまうという中二病状態に陥ってしまったようなものですね。
またこのお話は大きく二部構成になっていて、全編ではドン・キホーテが騎士になったつもりで世直しに出かけ、後編では劇中でドン・キホーテについて書かれた本が出版されたためにその著者を探しに行く、または「ワシはこんなやつではない!!」と訂正させていくお話になります。

だめだこの爺さん、早く何とかしないと…

騎士たるもの従者がいるもの、ということでもう一人の主要人物であるサンチョ・パンサを引き連れて冒険に出かけることになるのですが…
ドン・キホーテ「サンチョよ、あそこに○○(妄想)が見えるだろう?」
サンチョ「おらには△△(現実)しか見えねぇだよ」
ドン・キホーテ、妄想の相手に対して突撃するも彼はただの爺さんなので返り討ち、またはコケる
までが一連の流れですね。

死ぬところまで描くのは珍しい

この本が他の本と異なるところは主人公が一生を終えるまでを描くことですね。フィクションにおいては何かに成功したり、誰かと結ばれたりしたところで終わってしまうものが多いので。とはいってもアーサー王伝説もアーサーが死ぬところまで描いているので昔の物語では少なからず存在するパターンでもありますね。
序盤では現実と空想の区別がつかなくなって周りを振り回していたドン・キホーテが終盤では現実を取り戻してサンチョらに遺言を託していく姿は読んでいて人はいつか死ぬものだなと思わずにはいられませんでした。