書店を立ち寄っていたら偶然見かけ、面白そうだったので購入しました。
『人類の歴史を作った17の大発見〜先史時代の名もなき天才たち〜』
https://www.amazon.co.jp/dp/4309228372/ref=cm_sw_r_cp_api_i_646HSVS50QS85GSPT6DN
人類初を達成した人々
考古学の本というと、「◯◯人達」など集団に対して言及される事がほとんどですが、この本は(著者が仮に付けた名前が大半ですが)個人に的を絞ってどんな暮らしをしているときにそのテーマの発見をしたかが書かれているのが特徴的です
衣服や火、弓矢、車輪、石鹸など初めて発見した事について書かれています。
特に印象に残った事を書いていきます。
初めて火を起こしたのは…
昔の人類は捕食者を避け、動物の死骸から髄液を取り出して食べて(啜って)生きていたみたいです。生食が殆どだったので食事にかかる時間が今よりも比べ物にならないくらいかかっていたようです。
火を使いこなすようになったのはホモ•ハビリスで、加熱調理する事によって摂取カロリーが増え、調理時間が短縮した事で消化器官の機能がそこまで必要ではなくなった為に脳が発達したのではないか、という仮説を立てられていました。
初めて石鹸を使ったのは…
新型コロナウイルスが流行しているのもあってか、このトピックにも関心を寄せられました。
人類を救ってきた道具は石鹸でこれによって人口が密集するようになった現代においても健康的に過ごせるようになったのだとか。でもその効能が軽んじられ、過小評価されていた時代もあったようです。それというのも手は一見すると「綺麗に見える」為に、なぜそんな物を使う必要があるのか、という疑問を抱かれやすかったのです。顕微鏡を用いてミクロの世界が見えるようになり、人の手には無数の常在菌がいると知らなくては難しかったと思います。今でも手を洗う文化が軽んじられているところもありますね。
また、これだけでなく昔は男尊女卑が激しく、女性は親や兄弟、夫の所有物扱いされていた時代も長かったのです。
印象に残ったのはシュメール人達の歌の一節
私は娘
私は花嫁
私は妻
私は家政婦
P.182より
短い言葉に端的に当時の状況を表しています。
初めてハワイに上陸したのは…
この本の目次を初めに見た時は「なぜ唐突にこんな話題が?」と思った物ですが、内容を読み進めると成程と思いました。
今では5大陸に分かれていますが昔は大陸が繋がっていた時代もあり、人類はアフリカ発祥と言われていますがその地点から新奇なものを求めて各地に人類は広がって行きました。少し船で渡る事で少し海に隔てられていても渡る事ができました。
しかし、ハワイは事情が異なります。どの大陸を始点に考えても絶海の孤島の位置にハワイはあります。また、偶然辿り着いたのではなくそこを目指さなくてはたどり着けない潮の流れだったのだとか。
人類の飽くなき探究心と緯度、経度を探る技術が大昔にも発達していたと思うと凄いなと思います。
他にも人類初のトピックがあるのでこの本は読んでよかったと思える一冊でした。